新春の登山は気を付けよう ~八甲田山で遭難しかける話~

みなさんこんにちは。

今回は昨年の春、よく筆者が訪れる八甲田山に登った話をしたいと思います。

GW明けといえどまだ山は白く、その麓も残雪がありました。暇を持て余した三十路の独身男性はひとり八甲田を登ろうと車を走らせます。

平日のため登山客はまばら、しかし久しぶりの登山でしたので筆者の心は修学旅行前日の学生のように心躍っていました。雪があるといえどほかの登山者のレポートは確認しているし、アイゼン(雪上を歩くためのスパイク)もあるし、歩きなれた八甲田山でまさか遭難しかけるとはつゆ知らず、登山を始めます。

上記画像は登山口からすぐの箇所、日陰の程度によってまだまだ雪があるところが多く、踏み抜き個所もあり気を付けないと転倒の危険がある道でした。

しかし筆者はスキーの心得もあり、真冬での独り雪洞キャンプも経験していて、かつ雪山での行動についても学び、実践していましたので「これくらいは余裕」と慢心、油断、正常性バイアス(自分にとって都合の悪いことや悪い情報を無視し過小評価すること)が働いていました。

間違えやすい箇所にはこのようにバッテン印があり遭難を防いでくれてました。

このように登山客に対して危険表示をしてくれていることで安心感を覚えます。このような表記があるからこの先も大丈夫だろうと勝手に思い込んでしまうことでもありますが。

この時点でもまだまだ余裕、といったように歩き続けます。

登山道の真横にはこのように崖になっている箇所もあり足を滑らせて落ちてしまえばただでは済まないはず。このときから若干霧が出てきて視界が不良になり始めます

雪解け水が豪快な音とともに流れ落ちています。空気が澄んでいてとても気持ちが良かったです。

このあたりはいつも硫黄の匂いがしますのでおそらく沢付近に温泉が湧いているのではないでしょうか。(入りたい)

霧が更深くなり始めます。

本格的に上のほうから霧が流れてきて空気も冷え始めました。

仙人岱というだだっ広い八甲田大岳の麓にでました。

案内看板が埋まっていました。積雪3,40cmくらい?

ここで一気に視界が霧で覆われ始めます。広い雪原なので風の影響で地面にはボコボコとした跡ができてほかの登山者の足跡との区別がつかなくなり、このあたりから迷いはじめ雪上を行ったり来たり、YAMAPという登山アプリのGPSを確認しながら歩きます。

完全な視界不良

四方八方霧で囲まれ自分がどこにいるののか、どこを目指して歩けばいいか全くわからなくなりました。酷く怖かった記憶があります。

動悸がして焦り始めます。

GPSで現在地はわかります。登山道を目指すにも歩いた先は藪の中だったり崖だったりと中々正しいルートを見つけられず30分ほどさまよい続けました。

寒い、春とはいえここは八甲田、山の中はまだ冬、「遭難」の二文字が思い浮かびました。

半ばパニックになりかけていると少しだけ霧が晴れ、自分の位置がなんとなくつかめました。

GPSと照らし合わせ歩きます。

なんとかようやく登山道を見つけることができ、頂上を目指すことができました。

ここで冷静さを取り戻し始め、改めて雪山、いや登山の恐ろしさを思い出し、事前の計画と油断、そして慢心等、まだまだ自分は登山者として未熟なのだと実感いたしました。

霧の中進んで山頂へ、景色はないです(笑)

さて、これからまた霧で覆われるかもしれないので早々に下山いたします。

毛無岱というところから山頂を見上げると、まだ雲に覆われていました。でもきれいですね。

無事下山。

いつもなら4時間程で終わる八甲田登山でしたがこの時は5時間半かかっていました。

この登山で学んだっことは多く、計画と事前情報収集、判断力、3つの重要なことを再確認することができました。なにはともあれ無事下山できてよかったです。それにしても八甲田山は相変わらず雄大で奇麗でした。

2024年6月に熊による死亡事故があり一時期閉鎖されており、筆者はまだ今年1回しか登っていません。現在10月にはすでに閉鎖は解除されていて八甲田山は秋一色に染まって登山客で賑わっているようです。

筆者も機を見て冬前にもう一度登ろうと思います。


アイゼン(雪上スパイクのようなもの)です。 値段もお手頃で雪の残る山を登るのであれば使わないにしろ一つは携行すべき装備の1つです。



冬用のパンツとアウターです。特に秋と春の寒くなったり暖かくなったりする山の気候に対応するには必要な装備です。 筆者も春と秋には特に気温の変化に気を付けて携行するようにしています。

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